日産自動車の「スカイラインクーペ」、トヨタ自動車の「レクサスIS F」…。国内自動車メーカーがスポーツカーを次々に市場に投入している。家族向けのミニバンや経済性に優れたコンパクトカーなどに押され気味だったスポーツカーだが、低迷する国内市場の活性化を目指すメーカー各社は、団塊の世代の男性に向けて「ハンドルを握る楽しさ」をアピールし始めた。
走行性能を高める新技術が注ぎ込まれるスポーツカーは、各社が技術水準を競い合う看板車種。「スカイラインクーペ」では、燃費を向上させる新機構がエンジンに採用され、「IS F」には新型変速機が導入された。三菱自動車の「ランサーエボリューションテン」には、走行安定性を高める新しい車両制御システムが搭載されている。
今月二十七日から一般公開される東京モーターショーに合わせ、日産は最高峰の「GT−R」を、富士重工も「スバル インプレッサ」のスポーツモデル「WRX STI」を新たに発表する予定だ。ホンダは二○○五年に生産終了した「NSX」の後継車を開発中で、トヨタも今後三年間で新型スポーツカーの開発を目指す方針を明らかにしている。
スポーツカーの需要は限られていることから、トヨタでは「MR−S」生産終了でラインアップから消えていた。今回のスポーツカー投入ラッシュでメーカーが狙うのは団塊の世代だ。子どもの独立を機に、家族向けからスポーツカーに乗り換えてもらう商機ととらえ、「これからは自分が楽しみたい、と考える男性に選択の主導権を取り戻してもらいたい」(大手メーカー幹部)と新たなカーライフを提案する。
日産は「新型を待っている根強いファンがいる」(志賀俊之最高執行責任者)と、ニューモデルによる市場活性化を期待。トヨタの豊田章男副社長も「消費者に幅広い選択肢を与えることになり、自動車のファン層の拡大にもつながる」と、スポーツカーの“復権”に力を入れる。






